★駆動系選びのポイント★
まず、駆動系のシステムの説明から始めたいと思います。
エンジンで生み出されたエネルギーはピストンの回転により、ムーバルドライブフェイス(通称:プーリー)という駆動系の一部に伝わり、プーリーとそれと対であるドライブフェイスは回転を始めます、するとそれに挟まれているベルトに動力が伝わり動き始めます、ベルトが動くとその動力はクラッチに伝わり、それが最終的にタイヤを動かします。自転車に例えるならプーリーはペダルを漕ぐことにより回るパーツ、ベルトはチェーン、クラッチはギアの役割です。
プーリーの形状はお茶碗を横向きにしたようなものだと考えてください、向きはお茶碗の底が内側です。プーリーが回転する際その中に入っているウェイトローラー(以下:WR)がその遠心力により外に向かって弾き出されます。しかし、WRが外に出てしまわないようにプーリーのフタの役割をしているランプレートがその力を受け止めます。その力は次はランプレートを外に弾き出そうとするのですが固定パーツのため動きません。するとどのようなことが起きるでしょうか?
外側に行き場を無くした力は今度はプーリーを内側にはじき出します。弾き出されたプーリーはドライブフェイスに接近しはじめます、するとベルトはプーリーとドライブフェイスに挟まり、プーリーの傾斜で上方に押し上げられます。それによりギア側のベルトが引っ張られると変速を始め、同時にタイヤに動力が伝わるというシステムです。
これを理解していただいたうえで、あなたがここで選択するのはWRです。WRとはその名の通り重りでプーリーの中に3つあるいは6つ入れることが出来るものです。
Step2でマフラー交換によりエンジンを活発に動かす事に成功しましたよね、これは俗に言うエンジンの「回転数が上がった」という状態です。回転数が上がるとプーリーも速く動こうとします。しかし、今のままではWRは純正のものなので元々の遅い回転数にしか対応していません。つまり重いのです。重いままだと速く回転したいのに出来ず、いつまでたっても低速ギアのまま走行することになり、速く走る事が出来ません。ですからWRを軽いものに変えてあげてください。
でも、ただ軽くすればいいというものではありません。軽すぎると今度は空転してしまい、スピードの乗らないうちに次のギアに切り替わってしまうので、これも速く走る事が出来なくなってしまうからです。
ベストな重さのWRを選ぶには以下の方法を用います。
@購入したマフラーにWRが付属している場合があります。これはそのままそのWRを装着して走行し、違和感がなければそれで作業は完了します。
Aマフラーに目安となるWRの重さが明記してあるので、その重さを基準にWRを購入し装着します。
B純正の重さから半分の重さとなるWRを購入装着し走行して徐々に重さを調整していく方法があります。
@、Aの方法は最も簡単で確実ですが、必ずしも現状に正確な重さとは限りませんので、車体の状況など様々な状況に応じてWRの微調整が必要な場合があります。